頭皮の乾燥は、頭皮のトラブルの代表的なものの一つです。頭皮の乾燥をほっておくと、抜け毛や薄毛の原因になります。頭皮が乾燥していると思った場合は今すぐに対策を始めましょう。
目次
1、頭皮が乾燥しておこるトラブル
頭皮の乾燥が原因で起こるトラブルとしては、次のようなことがあります。
①かゆみ
頭皮の乾燥によりまず起こりやすいトラブルです。
この段階で適切な対策をすれば、深刻なトラブルになる前に頭皮の状態を改善できます。
②フケ
健康な状態の頭皮でも多少のフケは出ます。しかし、頭皮と髪の毛を清潔に保っていれば、それほど気になることはありません。もし、毎日頭皮や髪の毛を洗って清潔に保っているのに、目立つほどフケが出るとようであれば、頭皮の状態が崩れている可能性が高いです。
頭皮が乾燥することで、頭皮の表皮がはがれやすくなり、フケが増えることもあります。また、頭皮の乾燥によるかゆみから、頭皮をかいてしまうことでさらにフケが出やすくなることもあります。
③頭皮湿疹
頭皮の乾燥がひどくなると、かゆみやフケだけでなく、頭皮に湿疹ができることがあります。頭皮の湿疹にはいくつかの種類と原因があるのですが、乾燥が原因で起こる湿疹もあります。
湿疹ができるほど頭皮の乾燥がひどいようであれば、一度皮膚科など専門機関で診てもらうことをおすすめします。
④頭皮ニキビ
ニキビというと皮脂が原因で乾燥とは逆なイメージがあるかもしれません。しかし、乾燥が原因で頭皮にニキビができることもあります。
頭皮が乾燥しているということは、頭皮に水分だけでなく皮脂も不足している状態です。そのため、体が皮脂を補おうとするのですが、頭皮のバランスが崩れていると、皮脂が過剰になってしまい、頭皮ニキビができやすくなります。
⑤抜け毛・薄毛
頭皮の乾燥がひどくなると、抜け毛・薄毛につながることもあります。頭皮のバランスが崩れているということは、頭皮にある細胞の働きで育成・成長する髪の毛にも当然影響があります。
乾燥がひどくなれば、髪の毛の育成・成長のサイクルも乱れがちになる可能性があります。せっかく成長している髪の毛も、十分にとどまれずに早くに抜けてしまうということもあるでしょう。
2、頭皮が乾燥する原因
頭皮の乾燥はなぜ起こるのでしょうか。原因としては次のようなことが考えられます。
①紫外線などの季節的要因
季節の変わり目に体調を崩しがちになる人は少なくないかと思いますが、体調が崩れるのと同じく、頭皮もそのバランスを崩しがちです。
まず、気温や湿度の変化に体の調整機能が追いつかないということがあります。また、夏場に強くなる紫外線など、季節ごとの外からの刺激も頭皮の乾燥の原因となり得ます。紫外線は季節的要因の中でも特に要注意です。
②体質
乾燥肌の人がいるように、頭皮も乾燥しやすい体質の人がいます。頭皮も肌の一部ですから、乾燥肌の人、敏感肌の人は、頭皮も乾燥しやすく、トラブルが起きやすい傾向があるので、日頃から丁寧にケアをするようにしましょう。
肌質を意識してケアするのと同じように、自分の頭皮の性質を把握しておくことが、頭皮の乾燥を防ぐために必要です。
③血行不良
血行不良の体は、手足、そして頭皮など、体の末端に必要な栄養が行き届きにくくなっています。必要な栄養が不足することで、頭皮に水分や脂質を蓄えるための働きが不十分になる可能性があります。
④パーマ・カラー
パーマやカラーには専用の薬剤を使います。基本的にそれらの薬剤は髪の毛につけるものですが、その際にどうしても頭皮にもついてしまいます。これが原因で頭皮が乾燥しやすくなることも考えられます。特に、パーマやカラーの頻度が多い人は注意が必要です。
⑤病気
病気になると体のバランスを保つ機能が弱るため、肌が乾燥しやすくなることがあります。頭皮の乾燥も同様です。病気が治れば自然と感想も治まりますが、病気が長引くと抜け毛が増えるということもあります。
⑥加齢
加齢により肌が乾燥するのと同様、頭皮も乾燥しやすくなります。これは、肌に水分や脂質をキープする機能が衰えるためです。加齢による乾燥はある程度は仕方ないのですが、適切なケアにより乾燥を極力抑えることはできます。
⑦エアコンなどの外的要因
夏場のエアコン、冬場の暖房などは、空気だけでなく肌の乾燥も招きます。こういった日常生活の中の外的な要因により、頭皮が乾燥するということもあります。
⑧不規則な生活
不規則な生活が続くと、体のバランスを正常に保つ機能が崩れ、さまざまな不調を招きます。頭皮の乾燥もそのひとつです。不規則な生活の最たるものは、次の3つです。
・睡眠不足
睡眠不足は一日でも体にとって大きなダメージとなります。ヒトの体は睡眠中にダメージを回復し、体の機能を整えています。その時間が不足することは、頭皮にとっても大きなダメージです。
・ストレス
ストレスにより自律神経が乱れるといった話を聞くことがあるかと思います。自律神経は体のバランスを保つために重要な存在です。頭皮の状態にも大きく影響します。
・食生活
食生活が乱れることで、体のバランスを保つために必要な栄養が不足したり、糖質や脂質などが過剰になったりして、肌のバランスも崩れがちになります。食事のタンパク質や脂質が多すぎて皮脂が過剰になるといったこともありますが、特に無理なダイエットや食事がきちんととれないなどで肌が乾燥しやすくなることもあります。
⑨間違ったヘアケア
頭皮の乾燥を防ぎ、頭皮の状態を正常に保つためにヘアケアは必要ですが、間違ったヘアケアは逆に頭皮の乾燥の原因となってしまいます。問題となりやすいヘアケアが次の3点です。
・シャンプー
シャンプーの洗浄力が強すぎたり、洗浄剤の刺激が強すぎたりして、頭皮が乾燥してしまうことがあります。また、一日に何回もシャンプーをするなど、シャンプーの回数が多いことで頭皮が乾燥してしまうこともあります。
・頭の洗い方
髪の毛と頭皮を洗う際に、強くこすりすぎたり、爪を立ててしまったりして、頭皮を傷つけ、乾燥につながることがあります。
また、シャンプーやトリートメントの洗い残しがあると、それが刺激となって頭皮が乾燥しやすくなることもあります。
・頭の乾かし方
シャンプー後にタオルドライとドライヤーで髪の毛をしっかり乾かすことは、頭皮・ヘアケアの基本。ただ、この際にドライヤーが近すぎたり、一か所に熱を当てすぎたりすることで、髪の毛や頭皮に熱のダメージが加わって乾燥につながることもあります。
3、乾燥を防ぐ方法7選
頭皮の乾燥が気になる場合、その原因を知った上で、乾燥を防ぐための対策を行うようにしましょう。
頭皮の乾燥を防ぐ方法としては、次のようなことがあります。
①正しい頭の洗い方とは?
正しい頭の洗い方は、まずブラッシング、そしてぬるま湯による予洗い、そしてシャンプーを手のひらでしっかり泡立ててから頭皮と髪の毛を手のひらや指の腹で優しく洗い、ぬるま湯で優しくしっかりと洗い流すこと。
ポイントは、ブラッシングと予洗いにより大まかな汚れを落とし、シャンプーでしっかりと汚れを落とし切れるようにすること。また、ぬるま湯を使用することで皮脂を取り過ぎないようにします。シャンプーやすすぎの際は、頭皮を傷つけないよう優しく、ただしシャンプーが残ることのないようすすぎ自体はしっかりと行います。
②ドライヤーの使い方
ドライヤーをかける前に、一度タオルで水分を吸収しておきます。この際もごしごしこするのではなく優しく髪を包み込むように行います。
ドライヤーは、頭皮や髪の毛に近づけすぎないよう、心地よい熱さが保てるように距離を取ります。また、一か所にあて続けるのではなく、頭全体にまんべんなく動かして使いましょう。
③シャンプーの選び方
シャンプーは、乾燥対策としてはとにかく低刺激なものを選びたいところ。基本は、アミノ酸系の洗浄剤のシャンプーがおすすめです。ただし、アミノ酸系をうたっていても、実際の洗浄成分の大半は洗浄力の強い高級アルコール系(石油系)ということもあるので、原材料名のチェックは必須です。
また、保湿作用のある成分を使用しているものなど、洗浄成分以外の成分もチェックしておくと良いでしょう。
④保湿グッズの使用
プラスアルファの乾燥対策として、次のような保湿グッズを使うのも効果的です。
・頭皮ローション
乾燥対策の第一歩は肌に十分な水分を保つこと。頭皮ローションは、肌に失われた潤いを補ってくれます。
・オイル
ローションと合わせて使いたいのがオイル。ローションで潤いを補い、オイルはそれを守ってくれる働きがあります。
・頭皮美容液
ローションとオイルにさらに追加するなら、頭皮美容液。商品によってさまざまですが、ローションやオイルだけでは足りない成分を補ってくれます。
・育毛剤
育毛剤は、髪の毛の育成・成長を促すものであり、頭皮環境を整えてくれる働きがあります。すなわち、乾燥対策にもなることがほとんどです。乾燥と共に抜け毛・薄毛が気になるようであれば、育毛剤も積極的に使うと良いでしょう。
⑤紫外線対策
顔や手足には日焼け止めを塗るなど紫外線対策をしていても、頭皮の紫外線対策が抜けているということは多いです。頭皮には露出している肌のように日焼け止めを塗るわけにはいかないので、帽子や日傘などで紫外線をカットしましょう。
日差しが強い時間に外出しない、なるべく日陰を選んで歩くといったことも効果的です。
⑥食生活
乾燥対策をいろいろしても、頭皮や髪の毛を作る根本のところが崩れていては、なかなか乾燥は改善しません。その根本の一つが食事です。細かい栄養バランスを考えるのが面倒でも、次のことは守るようにしましょう。
・バランスの良い食事
炭水化物、植物性と動物性のタンパク質、野菜や果物などに含まれるビタミンやミネラル。これらをバランスよくとるようにしていれば、自然と食事のバランスは整います。どの栄養も、体にとっては必要なものです。過度なダイエットや、特定の栄養を制限してしまうのは、頭皮の状態に悪影響です。
・コラーゲン摂取
コラーゲンは、皮膚に水分を保つために重要な役割を果たします。しかし、加齢により失われやすい成分でもあります。コラーゲンはアミノ酸の一種なので、コラーゲンをとったからといってそれがそのまま肌のコラーゲンになるわけではありません。しかし、最近では低分子コラーゲンであれば良い影響があるといった研究結果も出ているようです。
⑦睡眠不足の改善
食事と同じく、睡眠も頭皮や髪の毛を作る根本のところです。睡眠不足は、頭皮の乾燥だけでなく、体のさまざまなところにダメージを与えます。一時的なものなら良いのですが、慢性的に睡眠不足になっているようであれば、生活スタイルを見直しましょう。